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社長コラム

    社長ブログ 科学ネタのあれこれ~その2「光 その1」

    社長ブログ 科学ネタのあれこれ~その2「光 その1」

    こんにちは、豊田周平です。科学オタクである私からの科学ネタをシリーズに分けてお話しています。今回は光についてです。

    光は身近なもので、生活に欠かせないものなのですが、あまり気に留めることの無いものです。何度かに分けて、身近な光について紹介させていただきます。

    初回は、「色の三原色」と「光の三原色」の図を紹介させていただきます。

     

    ご存知の方もおられますが、前職では光エレクトロニクス分野での材料、加工、デバイス開発に携わってました。

    現在も一応「光の専門家」としてJPC関西(日本フォトニクス協議会関西)やレーザー学会でも活動をしております。

     

    <イントロ>

    私の専門分野ですが、実は光については高校ではほとんど学ぶ機会がありませんでした。

    小学校や中学校で凹レンズ・凸レンズ、光の波長などは学習したと思うのですが、それ以上のところは企業に入って光の研究開発をする様になってから勉強しました。

    <光の応用>

    皆さんは「光」と言うと部屋の照明などをイメージされるかと思いますが、私たちの身近にあるもので光を応用したものはたくさんあります。

    例えば私たちが見るものとして、メガネ・デジカメの写真・プロジェクター・液晶画面や有機ELディスプレイ・AR、VRゴーグルなどのウエアラブルディスプレイ、さらにオフィスでは欠かせないコピー機、スキャナも。

    記録ものとしてはCD・DVD・Blu-rayのディスク、伝送としてインターネット(光ファイバー通信)、医療・産業の応用として溶接や切断、手術などです。

    このブログをインターネットで読んでいるのも、このブログを見ているのも、スマホで無料でチャットや通話をしているのもすべて光ファイバを経由した光通信のおかげです。

    もちろん植物も動物も太陽「光」なしでは生きて行くことができません。カーボンニュートラルが言われていますが、我々が出したCO2をO2にするのも太陽光を利用した植物の「光」合成です。

     

    <光の波長(色)>

    光は電磁波でいう電波と一緒です。その波の波長(波の一周期の長さ)によって特性が全く違ってきます。

    人の眼に見える可視光(赤・橙・黄・緑・青・藍・紫)は、波長でいうとおよそ紫の380nm(ナノメートル、0.38μm)〜赤の780nmです。

     

    赤より波長の長いのが赤外線です。赤外線よりさらに波長が長くなると、いわゆる電波といわれるもので電子レンジなどのマイクロ波、超短波、短波、中波など携帯電話などの無線通信、テレビやラジオ放送に使われるものになります。

     

    紫より波長の短いのが紫外線です。紫外線よりさらに波長が短くなったのがX線、ガンマ(γ)線です。紫外線は殺菌のためにいろいろなところで使われています。X線やガンマ線は医療分野では欠かすことのできないものです。

    赤外線がスマホの顔認証(赤外線をスマホから出して、顔の各パーツの距離を高精度に測り立体像を作る)や車の自動運転のためのLiDAR(ライダー)、そして今の生活に欠かせない光ファイバ通信(光のオン・オフで信号を伝送)などに使われています。

     

    日頃、意識することはありませんが、多くの先人たちの努力で光が様々なところに使われて現代の生活に欠かせないものになっています。何かの機会にちょっとだけでも知っていただくことができれば、光の技術屋の端くれとして嬉しいです。

    今後も、何回かのシリーズにわけて紹介させていただきます。